コメ価格安定へ 「再生二期作」に熱視線
千葉県柏市にある水田。稲穂はすでに実り始めていますが…
柏染谷農場 染谷茂 代表
「穂が出たので、これだったらあと1か月ちょっとで刈ります。再生二期作、同じ稲を使って2回とる」

「二期作」とは、春先に1回目の田植えをし、初夏に収穫。夏に2回目の田植えをして秋に2回目の収穫をするというもの。温暖な沖縄などで盛んに行われています。
一方、「再生二期作」とは、1回目の収穫をした後、同じ株から再び穂を実らせ、2回目の収穫をするというもの。田植えが1回ですむのでコストダウンすることができます。
柏染谷農場 染谷茂 代表
「(田植えの)コストがかからない。あとは追肥・水管理それだけ」

染谷さんの田んぼは東京ドーム32個分。農道やあぜ道で細かく分けられていて、田植えの際には、その都度農道などに乗り上げなければいけません。全ての田植えを終えるには2か月ほどかかるといいます。
今年は全体の1割で再生二期作を行い、8月に1回目の収穫をし、11月ごろに2回目の収穫をする予定だといいます。

柏染谷農場 染谷茂 代表
「再生二期作という言葉を聞く前に、刈った後かなりいい穂が出た時がある。管理すれば、それなりに収量があがるって話が出てきた。それをやって、少しでも収量上げていこうかって。コメを作ってるんだから、コメを出来るだけ作ることも自分の仕事かなって」
すでに再生二期作は各地で行われています。農研機構が福岡県で行った実験では、再生二期作の合計の収穫量は平均の2倍を超え、味も1回目、2回目ともに一般的なコシヒカリと比べても、遜色はなかったと言います。

一方で、長い期間大量の水の確保が必要となります。また、2回目の稲穂は短く、通常のコンバインでは刈り取れない場合もあるといいます。
「再生二期作」はコメの価格安定の“切り札”になるのでしょうか。