■洋楽器と和楽器が織りなす壮大な演奏に‟大喝采”
被災地支援から生まれたオーケストラ楽曲。演奏会には、市民交響楽団に加えて、桃生中の生徒3人も参加します。
桃生中総合文化部吹奏楽班2年・佐藤聡介さん:
「井村さんは、おもしろい人。指揮の振りはすごいけど、教え方も分かりやすい」

さらに和楽器パートには、地元の「はねこ踊り保存会」が加わります。
寺崎はねこ踊り保存会・今井快世さん:
「洋楽器と和楽器の組み合わせをいい感じに組み合わせられるような、皆さんをひきつけられるような演奏をしたい」

指揮者・井村誠貴さん:
「桃生の人たちとやりたいという思いが強かったので、こうやって中学生が参加してくれること、そして保存会の皆さんが入ってくれることが何よりもすてきななこと」
そして迎えた演奏会当日、会場には大勢の観客が訪れました。

楽曲「はねこ幻想」は、凶作を表す不穏な始まりから「はねこ踊り」のお囃子へと展開します。井村さんの指揮のもと、中学生と保存会の人たちが熱い演奏をくり広げます。

2種類のお囃子が重なり、楽曲はクライマックスを迎えます。演奏会は大盛況のうちに終わりました。
指揮者・井村誠貴さん:
「“はねこ”は石巻の皆さんのものですから、『これははねこじゃない』と思われないかが心配で。そこが私の中でプレッシャーでもあったのですけど、終わった瞬間のたくさんの拍手を聞いた時にホッとしました」

震災をきっかけとした井村さんと被災地。その絆は地域をつなぐ輪となり、音楽を通してこれからも広がっていきます。