若年性の認知症の母 介護に疲弊する中で


井上さんが「介護美容」に携わるきっかけとなったのは、母の存在でした。

12年前に母が若年性の認知症と診断され、介護と育児の生活が始まりました。


(SOTTO YOU 井上由樹さん)
「(母が)家族に対して攻撃的だったり被害妄想、モノをとられる妄想だったりがすごくあって…」

肉体的にも精神的にも疲弊していたとき、人の気持ちや生活の質を変えるという「介護美容」のことを知り、井上さんは、17年間勤めた看護師を辞めることを決意。

大阪の専門学校に1年間通って「介護美容」を学び、今年、サロンをオープンさせました。

(SOTTO YOU 井上由樹さん)
「病気を薬で遅らせることはできるが、美容の力でそういう認知症の人に笑顔がでてきたり、普段の行動が変わったり(することがある)。期待を込めて母にしてあげたいなという思いがすごく強くなった」


美容を通して高齢者を笑顔に


(利用客・81歳)
「ん~、やさしい色ね。気持ちまでやさしくなれそう」

女性を、10代のころのなつかしい気持ちにさせます。

(利用客・81歳)
「海岸に行くとサクラ貝をすぐ見つけてこう見ていた。あの色と似ている。今度はいつか赤いのを塗ってもらって、元気をださないと…」


(涙をぬぐう利用客)
(利用客・81歳)
「涙でる…。マニュキュアしていただきながら、若い時のことを思い出すなんて思いもしなかった。きょうは。若返らなくちゃね。きょうからね」


まだまだ広くは知られていない「介護美容」。
井上さんは、美容を通して多くの高齢者を笑顔にしたいと話します。

(SOTTO YOU 井上由樹さん)
「介護美容をとにかく広めていきたい。ひとつの輪になってケアができたらいいな」


※MRTテレビ「Check!」11月11日(金)放送分から