こちらは6月30日に発表された6月22日までの1週間の全国のスーパーでの5キロあたりのコメの平均販売価格です。前の週より119円値下がりし5週連続の値下がりです。しかし、去年に比べると1600円ほど高い状況が続いています。米不足や価格の高騰は教育の現場にも影響を及ぼしています。

長野県上田市では価格の値上がりで給食費が上がるのを防ごうと学校給食センターの栄養士などが「節約メニュー」の開発に知恵を絞っています。
上田市古里にある第二学校給食センター。市内15の小学校の給食を作っています。
早朝5時から調理が始まり午前11時頃までに45人程のスタッフで、およそ6000食を仕上げます。

上田市教育委員会 学校保健給食課 山浦美紀さん:「(米不足は)学校給食にもかなり影響はしている。主食の価格が上がると副菜に影響するので、決められた栄養価を充足するのが大変」

上田市では主に長野市内の法人と契約して米やパンなどの主食を仕入れています。
毎年1月ごろに年間通しての供給量や仕入れ価格を決めているため、今年度は米が確保できないという状況はありません。
しかし…
上田市教育委員会 学校保健給食課 山浦美紀さん:「主食は10円から13円あがっている。そのほかにも全ての食材が物価高騰のあおりを受けている」

米の仕入れ価格は昨年度に比べ1キロあたり100円高くなりました。
値上がり分は1食あたりに換算すると10円余り。
保護者の負担を増やさないために市の教育委員会が国の交付金を活用して補填しているほか、栄養士がメニューに工夫を凝らしています。
第二学校給食センター栄養教諭 小森美優さん:「きょうの献立でいうと、鶏肉のおいれ焼き。本来であれば鶏肉のみで出すところを高野豆腐を入れて、『かさ増し』し栄養価も鉄分とカルシウムが多いのでそんな工夫をしながら献立を立てる」

こちらでは栄養士3人が持ち回りで一度に一か月分の献立を考えています。
例えばこの日のメイン料理の「鶏肉のおいだれ焼き」。
値段が上がっている鶏肉の分量を減らす代わりに、栄養価の高い高野豆腐を揚げて添えることにしました。

このような方法でより安く提供できるようなメニューを開発しています。
第二学校給食センター 栄養教諭 小森美優さん:「きょうは(鶏肉を)一回揚げて、ほかの食材も揚げて窯で和えたりだとか、切りものとか野菜も入れて『かさまし』したい、栄養も摂りたいとなると、手切りのものがどうしても多くなってしまったりするので、そうすると中の人たちが大変になってくるが、手間をかけることで給食ってどうにでもなると思っていて、その辺は中の調理員さんも承知してくれていてありがたいなって」

ひと手間加えることでスタッフの負担は増します。
それでも節約と食べ応え、栄養バランスを考えながら栄養士たちはレシピを同僚同士で交換したり先輩から教わったりしながら日々工夫を凝らしています。

しかし、米不足の今後やこの先の価格動向が不透明な中で、市の教育委員会では来年度にどう影響するのか状況を見通せないと話します。
上田市教育委員会 学校保健給食課 山浦美紀さん:「市場の今年度産の米の価格が見越せない中で、どの程度の価格が提示されてくるのかというのが見当がつかないので、来年度が非常に心配かなとは思っています」