能登半島地震での大規模な土砂崩れなどの影響で生活再建の見通しが立たない「早期復旧困難地域」で、いまだに水道が復旧していない住宅が石川県輪島市で19戸、珠洲市で10戸あります。
しかし、これは水道を行政が管理している戸数で、水道を集落で管理している地域を含めると断水している戸数はもっとあります。その町のひとつが輪島市別所谷町です。
町に戻るのが現実的ではない中、2月に住民は輪島市に集団移転の要望書を提出しましたが、4か月がたったいまも進展があるとはいえない状況です。
倉山邦雄さん「こんにちは。きょうは晴れて良かった」
倉山邦雄さん(77)は、2024年の元日、自宅で食事の準備をしている時に地震に遭いました。

倉山さんの自宅がある輪島市別所谷町には、地震の前は42世帯、78人が暮らしていました。
倉山邦雄さん「ここを走っていた。道路が。それを地震後に復旧してもらって車が通行できるようになったが、水害で流れた」「今はもうすごいことになり、復旧するにもなかなか時間もかかるし、どうすればいいか悩む」
別所谷町の住民は、およそ2キロ離れた山の湧き水を生活用水として使っていましたが、地震で水道管が破損。いまだに修理できていないため、水を使うことができません。
震災から1年半たった今でも、ライフラインの復旧さえままならない状況です。
倉山邦雄さん「一番つらいのは、建物もそうだが、その建物を直して生活できるのか。地面が割れているから、直しようがない」