2025年も折り返しに差しかかっていますが、世界を見渡すと不安定な情勢が続いています。そんな中、間もなく明らかになる中国関連の重大な動き、特にチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世の後継問題が関心を集めています。東アジア情勢に詳しい、元RKB解説委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんが、6月30日放送のRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で解説しました。
国内問題にして国際問題、チベットの最高指導者
中東情勢、ロシア・ウクライナ戦争、そしてトランプ大統領など、国際社会は様々な問題に直面していますが、私自身はやはり中国を軸に考えてしまいます。中国は、自らの存在感を誇示する場面と、裏で目立たないように事を仕掛ける場面を使い分けてきました。現在の国際社会の構図は、中国抜きでは語れません。そんな中、習近平指導部が息をひそめて見守る出来事が、まもなく明らかになりそうです。
それは「国内問題であり、国際問題」と表現すべき、チベット問題です。国内問題ではあるものの、チベット仏教の最高指導者であり、国際社会で大きな影響力を持つダライ・ラマ14世に関する話なので、国際問題とも言えるでしょう。
ダライ・ラマ14世については、今年1月のこのコーナーでも、中国のチベット自治区で発生した大規模地震に関連して取り上げました。その際、チベットを逃れ66年間もインドで亡命生活を送るものの、チベットの人々から篤い信仰を集めるダライ・ラマとチベットの関係について説明しました。そのダライ・ラマが今週、重大な発表を行うようです。