政府の役割とは

加藤氏は「政府の役割は突き詰めると国民を幸せにすることであり、その原点に立ち返るべきだ」と訴える。

加藤秀樹(構想日本代表)

「飲食店やスーパー、介護職員など、いわゆるエッセンシャルワーカーの人たちの生活は苦しい。その人たちの生活が安定し、社会が敬意を払うようにする政策を打つべきです。毎年のように全国民に現金をばらまくのは、本質的な政策とはかけ離れたものです」

また、「テレビのコメンテーターやエコノミストは2万円給付で消費はほとんど増えないとか、経済効果ばかりを語りますが、それもおかしい。消費が増えることが目的ではない。目指すところはあくまでも国民の幸福。いろんなところでそれが見失われている」と強調する。

参院選を前に各党が様々な対策を打ち出す中、一時的な給付金が本当に国民のためになるのか、将来世代への負担はどうなるのか、改めて考える必要がありそうだ。

加藤秀樹(構想日本代表)
京都大学経済学部卒業後、1973年大蔵省入省。証券局、主税局、国際金融局、財政金融研究所などを歴任。1997年4月、非営利独立のシンクタンク「構想日本」を設立。2009年に政府の行政刷新会議の事務局長に起用され、国レベルの事業仕分けに取り組む。公益財団法人国際連合協会評議員、一般財団法人地球・人間環境フォーラム評議員などを務める。