国内で唯一、愛媛県愛南町に保存・展示されている旧日本軍の戦闘機「紫電改」が、歴史的に価値の高い航空機などが選ばれる「重要航空遺産」に認定されることが決まりました。

およそ20年前、松山空港で撮影された戦後初の国産旅客機「YS11」です。
現在は運用を終えていますが、国立科学博物館の所有する機体が、2008年「重要航空遺産」の第1号として認定されました。

そして、13例目の「重要航空遺産」に来月25日に認定されることになったのは、愛南町で展示されている「紫電改」です。
1978年に愛南沖の久良湾から引き上げられました。

「重要航空遺産」を認定する日本航空協会では、独自の翼やエンジンなど、当時としては先進的な機構が用いられていることや、歴史的な価値などを評価したということです。

その展示施設は老朽化により、来年度中の完成を目指し建て替えを進めていますが、機体の移設費用が腐食の影響などで想定以上にかかることが分かりました。

愛媛県 中村時広 知事
「クラウドファンディングを通じて、戦争の記憶や歴史の教訓を全国の皆さんと共有することで、恒久平和の大切さを全国に情報を発信していきたい」

そこで県は、ふるさと納税型のクラウドファンディングで、費用の一部をまかなうと明らかにしました。
7月1日からおよそ2か月間募り、目標額は3800万円です。

返礼品には、紫電改をモチーフにした靴や、真珠のアクセサリーなどが用意されていますが、制度上、県内に住む人は受け取れないということです。