これから「狩り」を学ぶ

猛禽類医学研究所(北海道・釧路市)によりますと、巣の中で成長を遂げたハヤブサたちは、今度は親鳥から飛び方や狩りの仕方を教わる時期に入ります。これを「巣外育雛期(すがいいくすうき)」と呼ぶそうです。ハヤブサは主に、水鳥などを捕まえ餌にしています。

飛んでいる鳥の真上から急降下し頭を蹴り落とします。このときの速度は時速300キロに及ぶと言われます。気を失い落下していく鳥をそのまま捕捉するというのが狩りのスタイルです。巣の中で成長したひなたちは、今度は巣の外で、親鳥たちからこうした狩りを学びます。親が少しだけ仕留めて、あとは子どもたちに任せるといった“訓練”が行われるそうです。こうした訓練が2か月程度続き、晴れて1人前になったハヤブサたちは、独立して分散し新たな場所へと飛び立っていきます。

ハヤブサは通常、海沿いの崖に巣をつくるケースが多く、煙突という人工物で繁殖することは珍しいということです。「人工の巣で繁殖が続いていることも希少猛禽類を守るという点で喜ばしいことではないか」と猛禽類医学研究所では話しています。仙台港の上空を飛び回る高速の鳥がいたら…、それはもしかしたら人工巣で育った若きハヤブサたちかもしれません。