「圧力に屈してはならない」ロシアからも指名手配
さらに、赤根さん自身もロシアから、指名手配されています。

2023年3月、ロシアが占領したウクライナ地域から、子どもを不法に移送したことが「戦争犯罪」だとして、ICCがプーチン大統領に逮捕状を発行したからです。

これにロシアのペスコフ大統領報道官は「言語道断だ」と猛反発。
ロシア当局は、赤根さんを含むICCの判事3人を指名手配したのです。
ロシアに入国すれば拘束されかねない状況に、2024年 6月、 赤根さんは一時帰国しました。

ICC(国際刑事裁判所) 赤根智子 所長(2024年6月)
「政治的圧力に関して申し上げますと、ICCの職員、裁判官一同、これら(圧力)に服してはならないという気持ちで、毎日の裁判業務に向かっている」
国家間の紛争を取り扱う「ICJ=国際司法裁判所」とは違い、戦争犯罪などを引き起こした個人に逮捕状を発行する「ICC」。

逮捕状が出た人物について、ICC加盟国は身柄を引き渡す義務があり、実際に逮捕され、審理が進んでいる例もあります。

オンラインで出廷したフィリピン・ドゥテルテ前大統領(2025年3月14日)
「私はロドリゴ・ロア・ドゥテルテです」
国内の麻薬犯罪に対し、容疑者殺害もいとわない強硬な取り締まりを行ったフィリピンのドゥテルテ前大統領。

フィリピン・ドゥテルテ大統領(2016年当時)
「フィリピンでの薬物撲滅運動はまだまだ続く。絶対に容赦しない。 死体は数えない」
当時、フィリピンは加盟国だったこともあり、ICCは捜査を2018年に開始し、2025年3月、人道に対する犯罪の容疑で逮捕状を発行。
フィリピン政府がドゥテルテ氏を逮捕し、オランダのハーグに移送され、 裁判に向けた手続きが進められています。