ペットとのふれあいで感染リスクも

SFTSの感染経路としては「マダニが直接人を吸血する」以外にも
▼マダニにより感染した野生動物が人間と接触する
▼野生動物からペットにマダニが移り、感染したペットが人間と接触する

などが考えられます。

感染した動物の唾液や血液などがヒトの粘膜に入り込み感染するため、もしペットがSFTSウイルスを持っていた場合、▼口など粘膜の周りをなめられる▼傷口をなめられる などで感染する可能性があります。

五箇公一特命研究員:
最近になってペットから人に感染する事例が報告され、マダニにかまれていないの
に発症している事例もあるので、どうやら粘膜感染をしてしまうらしいということがわかっています。
動物との濃厚接触は動物好きな人にとっては楽しい時間でもあるんですが、こういった病気もあるということを踏まえてむやみにしない方がいいし、逆に言うとイヌでもネコでもふれあう以上は室内飼育が基本になってくると思いますね。

恵俊彰:
動物たちはウイルスを持っていても症状は出ないんですか?

五箇公一特命研究員:
鹿やイノシシはウイルスに対する感受性が低いので感染しても発症しない
んですが、イヌ・ネコの場合は発症して重症化するケースが出てきます。

恵俊彰:
飼っているペットの具合が悪くなった場合に、ひょっとしたらこのSFTSも可能性としてある?

五箇公一特命研究員:
考えなきゃいけない。そういった意味で、厚労省のガイドラインとしては、弱ったペットがいた場合にはむやみに素手で触らないようにと指示しています。

ペットなどの動物からの感染を防ぐには
・過剰な触れ合いを控える
・獣医師からダニ駆除剤を処方してもらう
などの対策が必要です。

国立健康危機管理研究機構のHPによると、全国のイヌ・ネコのSFTSの発症の件数は、ネコでは977、イヌで61となっています。(2024年12月31日現在)
ネコの致死率は、6割前後と非常に高くなっています。

五箇氏によると、ネコは重症化リスクが高い一方、イヌは感染しにくいのではなく発症せずにウイルスを保有している可能性が指摘されています。

五箇公一特命研究員:
本来はマダニにかまれる割合はほぼ同じで、イヌの方が強くて発症していないだけで、ウイルスを持っているかもしれないという不顕性感染の可能性は考えなくてはならないということですね。