長野県大町市の山林で22日午前、山菜採りをしていた市内の男性2人がクマ1頭に襲われ、46歳男性が死亡しました。けがをした70歳の男性は23日、SBCの取材に「いきなり下からクマが飛びついてきて、死亡した男性に馬乗りになった」と当時の状況を語りました。
大町市八坂の山林で、22日午前9時50分ごろ、「タケノコ採りで竹やぶに入ったら、クマに襲われた」と70歳の男性から消防に通報がありました。

通報した70歳の男性と46歳の男性の2人が襲われ、46歳男性が顔などに大けがをして、その後搬送先の病院で多発性外傷による出血性ショックで死亡が確認されました。

死亡した男性と一緒にいてけがをした70歳の男性は23日、SBCの取材に対し「いきなりクマが下から飛び上がってきて、46歳男性に飛びついた。そのまま数メートル転がり側溝に体が入った。クマが馬乗りになって、大きい声を出しても振り向かなかった。木の棒で叩いたら、70歳男性に向かってきて背中をひっかかれた。さらにかみつかれた後、クマの耳を持って大声を出したら逃げて行った」と当時の緊迫した状況を語りました。
大町市では、8日から14日にかけ15件のクマの目撃情報があり、長野県は19日、「ツキノワグマ出没注意報」を、大町市を含む「北アルプス地域」に出しています。

被害の発生をうけて市は、「クマ出没警戒警報」を出し、クマの動きが活発になる朝夕などの時間帯の外出を避け、鈴や笛を鳴らすなど、注意をするよう呼びかけています。