戦後80年にあたり、天皇皇后両陛下はきょう、広島県を訪問されました。両陛下は原爆の犠牲者を悼み、慰霊碑に供花されました。

午後3時前、両陛下は原爆の爆心地付近につくられた平和公園に到着されました。

両陛下は、慰霊碑に向かってゆっくりと進み、そろって花を手向けられました。

1945年8月6日。アメリカ軍が人類史上初めて広島に原爆を投下し、その年のうちに、およそ14万人が亡くなったといわれています。

戦後、昭和天皇をはじめ、皇室は原爆の犠牲者を弔うため、度々、広島を訪問。上皇さまは、戦後50年、そして戦後70年にあたって原爆犠牲者を悼まれました。

両陛下がそろって慰霊碑に供花されるのは皇太子時代の2000年以来、25年ぶりで、即位後は初めてです。

今年は戦後80年。両陛下は雨や露から守るため、屋根の形状をした慰霊碑について説明を受けたあと、もう一度、深々と拝礼されました。

続いて訪問されたのは、原爆の遺構を保存する「被爆遺構展示館」。

「こちらは」

被爆前の人々の平穏な暮らしを再現した映像が流れ、その多くが犠牲になったと説明を受けると、陛下は「痛ましい」とつぶやかれました。

そのあと、原爆資料館では…

「こちらのほうが日本被団協に贈呈されましたノーベル平和賞のメダルと賞状です」

去年、日本被団協に贈られたノーベル平和賞のメダルと賞状のレプリカを視察されました。

常設展では、爆心地から5キロの街並みが一瞬にして焼け野原に変わる映像を真剣な表情で見られました。

このあと、両陛下は被爆者らと懇談されます。