父親「事故しない自信もある」 息子「個人の説得ではキリがない」
返納する気はどのくらいあるのか。話し合いの翌日、父親に話を聞きました。

――高齢者の事故のニュースをどう見てます?
父親(81)
「自分もそのくらいの年代になってるのかなとは感じますけど、かといって自分には当てはまらないと思ってますけどね」
「今(免許)更新したところですのでね。次の更新は84歳になるんかな。その頃にはそろそろ引き時かなと考えていますけど」
5月、81歳の誕生日を迎えた父親は、3年ごとの免許更新をしたばかりだといい、次の更新のタイミングで返納を検討していると話しました。
なぜ「あと3年」と考えているのでしょうか?

父親
「やはりちょっと衰えているなというのは多少は感じます、やっぱり。でも運転してて『うわ、怖い』とかそういうことは感じたことはない」
「事故しない自信もある」

――運転するのは楽しいという感じですか?
父親
「いや、まだそら『あの車ほしいな』とか意欲はありますよ。でも家族が許してくれないです」
ただ、息子の良彦さんは、庭で苗箱を踏みつぶしたことが“事故の前兆”ではないかと不安を募らせています。
息子・良彦さん
「潰れたのが苗箱だったから良かったですけど、小さい子どもの可能性だってあるわけじゃないですか」

父親
「これが子どもやったらどうすんねんって言うけど、こんな子どもいませんよ」
「そこに人がおるとか、そういう意識で車庫入れてないもん。家の(敷地の)中やから」
息子・良彦さん
「そんな感じでバックするときに自分の家の庭で孫を殺してしまったニュースとかもあったやん」
父親
「…」
「父に加害者になってほしくない」という思いから、時には強い口調になることも。
息子・良彦さん
「本当は1年でも2年でも早く決断してほしいかな」
父親
「そら自分で『ちょっとやばいな』って思うときが出てきたら、やっぱりやめた方がいいと思う」

――それは気づきますか
父親
「気づくと思います」

父親は、高齢者講習などを受け、免許の更新ができたため、次の更新までは運転する権利があるとしつつ、「不安を感じたときに返納する」と息子に約束しました。
「自分はまだ大丈夫」と信じる高齢ドライバーに免許を自主返納してもらう難しさ…良彦さんは家族だけの説得では限界があると話します。

息子・良彦さん
「やっぱり行政がもうちょっと厳しくしてくれないかなと思っていますね。どうせこの人たちは言っても聞かないんだろうと思っちゃうので」
「厳しめの規則なり法律なり改正してやってもらえないかなっていう、そのほうがいいよな“一律で”って思います。個人個人の説得でやってたらキリがないですもん」














