免許返納めぐる家族会議 息子の説得に渋る父親(81)

私たちは息子の協力のもと、家族会議の様子を撮影しました。父親本人にも許可を得て放送します。

息子・良彦さん
「いろんな(高齢ドライバーの)ニュース見て怖いんちゃうの?」
父親
「別に乗ってて怖いと思ったことない、まだ」
息子・良彦さん
「事故起こしてる老人の大半はみんなそう思ってる」
母親
「そらそうやわね、事故起こすと思って乗ってないからな」
父親
「でも俺は車と車の事故とか、21歳から乗ってるけど1回もないで」
息子
「そういう人が過信するねんて」

81歳の父親は、事故を起こしたこともなく、自分の運転を危ういと感じたこともないと話します。

父親
「おかん、俺の車の横乗ってて怖いとか思ったことある?」
母親
「私は運転できないからそれがわからへん」
父親
「だって交代でゴルフ場行くときに乗せてもらったりしてる人は今84歳やけど、まだ新車買うって言うてるやん」
息子・良彦さん
「そういうのが身の回りにおるから余計やな。そういう人らが『自主返納したわ』って言い出したらもうちょっと変わるのかね」

息子・良彦さんは、体の衰えなどによって父親がアクセルとブレーキの踏み間違い事故などを起こさないか心配していました。

息子・良彦さん
「アクセルとブレーキ踏み間違えて、自分は絶対ブレーキ踏んだって言い張る(人もいる)」
父親
「アクセルとブレーキ踏み間違えたというのは理解できひん、まったく理解できひん」
息子・良彦さん
「事故した人もみんなそう言うてんねん、踏み間違えてなんかいないって」
父親
「そんなこと言ってたら車なんか乗られへん」
息子・良彦さん
「だからそのへんを年齢とかで区切ったほうがええんじゃないかっていう話。70歳過ぎたらとか75歳過ぎたらとか」
父親
「そんなこと言うたら90歳過ぎた外科医だっておるねんぞ」
息子・良彦さん
「注意力が歳いけばいくほど落ちていくっていう話やんか」
父親
「注意力は落ちるかもしれんけど、若いやつの方が暴走するやんけ」
息子・良彦さん
「それはどうなんやろうなあ」

一方で、取材当日、免許返納に前向きな言葉もありました。

父親
「乗ってて怖い、ヒヤっとしたとかいう体験が出てきたらやめるわ。だって(友人)も免許返したの大きい事故やったからやろ」
息子・良彦さん
「まさにそれやんか、事故起こすまでやめへんわけやん、つまり。起きてからでは遅いからな」