「まだまだ治水安全度は低い」

熊本河川国道事務所 河東立 流域治水課長

熊本河川国道事務所 河東立 流域治水課長「まだまだ治水安全度は低いと言わざるを得ない」

阿蘇立野ダムが完成し、川幅を広げ、堤防を高くする工事も進みましたが、それでも防げるのは30年に1回レベルの水害だと言います。

白川の河川整備計画は60年に1回レベルの水害を防ぐことを目指していますが、その実現は約30年後です。「6・26水害」と同規模の150年に1回レベルの水害を防ぐという最終目標の達成時期は見通せないままです。

河東 流域治水課長「昭和28年(6・26水害)規模の洪水が発生すれば、白川の堤防整備や河道の掘削などが終わっていないので、越水被害や堤防決壊が起きることが想定される」

白川の濁流 大量に混ざる「火山灰」

2012年 九州北部豪雨 翌日 熊本市

また、白川の濁流には「ヨナ」と呼ばれる阿蘇の火山灰が大量に混ざるのも特徴です。6・26水害の経験者が口々に訴えたのも泥の多さでした。

村上能治さん(90)

村上能治さん(90)「家の中に泥が数十センチ積もっていた」

細郷英明さん(89)「家から泥を出すことがいかに難しかったかが一番強く印象に残っている」

水害対策は道半ば、そして氾濫すれば泥のリスクも…防災の専門家は川の特性を知って、早期避難が何よりも重要と訴えます。

熊本大学 竹内裕希子教授「去年大丈夫だったから今後も大丈夫とは思わずに、厳しい目で防災を考える時間を作ってほしい」

熊本大学 竹内裕希子教授