■「柿の変形」は病気ではなかった!ではいったいナニが?
県園芸推進課にも、県内各地から変形した柿の発生情報が寄せられていると言います。原因を聞いてみました。

県園芸推進課 上野慶紀技術主査:
「一番は気温が、大きい原因ではないかと考えています。過去に福島県で平成2年(1990年)に柿の異常果が大発生したという論文、報告があって、そこでは高温や日較差が原因ではないかと言われていた」


柿は4月下旬頃に発芽し6月上旬頃に開花するとされています。この時期に高温の日があったり、1日の気温の高低差が大きかったりするとストレスがかかり、実の変形が起きるのではないかと言うのです。しかし・・・

県園芸推進課 上野慶紀技術主査:
「論文をいろいろ調べてみるのですけど、高温や低温の繰り返しによるストレスが影響しているのではないかという報告はあるが、最後の方には原因は不明で今後調査していく必要があるという記載で終わっているので、まだ原因は解明されているわけではないと考えている」

結局、はっきりとした原因はよくわからず…しかし、変形は病気によるものではありませんでした。ストレスの影響に関しても県は、今年の4月から6月にかけての最高気温や1日の気温差を調べてみると、確かに気温の高い日や気温差の大きい日は多かったが、過去には今年以上に気温の乱高下が激しかった年もあり、今年が異常とまでは言えないということなんです。

実が付き始めた時点で、すでに変形がみられるということで、実の成長過程で変異したものではないとみられます。原因がはっきりしないため対策も難しいということですが、県では、これまで同様に木を適切に管理することが、今後の被害を減らすと見ていて、今年売り物にならない実でも例年同様に収穫して、その後のせん定作業もしっかり行ってほしいと呼びかけています。

その後、変形した“柿“が多く見つかった丸森町では、「柿を一つでもムダにしたくない」と、地元の農産物直売所がユニークな取り組みを始めました。その取り組みとは?