「将来にツケを回さず有事に備える」必要

経済界や有識者の有志でつくる民間の政策提言組織「令和国民会議」(令和臨調)。中空さんは共同座長を務めているが、10日に「財政健全化に向け規律ある財政運営を求める」提言を行った。

キーワードは<将来世代にツケを回さず、有事にも備える>

国と地方を合わせた“国の借金”【政府債務残高】は
▼2023年度末で1442兆円。【対GDP比237%】に上り「次の世代に負担を先送りしている」と指摘
▼債務残高対GDP比は【アメリカ121%】【イギリス101%】【ドイツ64%】で、日本の237%は「G7の中でも突出している」と警鐘をならしている。

その上で、政府債務残高の対GDP比を「10年以内に現状から25~30%引き下げるべき」とし、そのためにプライマリーバランスの「一定水準での基調的な黒字化」を求めている。

『BNPパリバ証券』中空麻奈さん:
「<毎年の所得>と<積み上がった債務>は、どちらかが崩れると両方とも崩れていく。少なくとも毎年ベースのプライマリーバランスの黒字化を達成し、そのお金で債務を減らしていくということをやらないと無理が出る。なので一緒にやっていこうと。債務残高対GDP比の引き下げが達成できれば国債の格上げも視野に入ってくる」

「災害への備え」にも国債格上げが必要

そして、令和臨調が掲げるもう1つのキーワードが【災害への備え】だ。

土木学会は11日、「南海トラフ地震発災後から20年あまりで経済被害が推計で1466兆円に上る」とする報告書を公表。

令和臨調の提言では
▼有事に際して必要となる大規模な財政出動への余力を蓄えておく
▼財政健全化により信用を高め国債の格付けを引き上げることが必要だとしている。

中空さん:
「日本企業の格付けが下がるのを避けるためにも、国債はせめて今のランクA1を維持しなければならいが、地震や災害に備えるためにも格付けを上げておくことが大事」

(BS-TBS『Bizスクエア』 2025年6月14日放送より)