マルタパビリオン工事では訴訟に発展「まさかここまでこじれるとは…」

万博工事費の未払い問題をめぐっては、訴訟に発展しているケースもあります。
「まさかここまでこじれるというか、解決しないとは思っていなかったです。一番自分としては望んでいない結果」
このように話すのは、マルタパビリオン建設工事の1次下請け業者・A社です。参加国が独自に建設するタイプAパビリオンの中で最後に着工したマルタ。外資系の元請け業者に対し、A社は未払いの工事費支払いを求め、6月5日、東京地裁に提訴しました。
(1次下請けA社)「自分たちがやった工事の対価だけを正当な形でお支払いしていただければ、それ以上のものをいただこうと思っていません。(万博工事を)やってよかったなって、自分たちが最後、そういうふうに思って終われる、それを一番望んでいます」
訴状によりますと、A社は「元請け業者が“工事が遅れた”などと不合理な苦情を述べて工事費を支払わない」などと訴え、契約金の一部と追加工事費、計約1億2000万円の支払いを求めています。
A社はこれまで、元請け業者に直接支払いを求めてきました。これに対し元請け業者は「工事のクオリティーが不十分で修正工事をした費用や、工期の遅れなどによるペナルティーを差し引くと支払える金額は残らない。正式な金額は精査中だ」などとしていました。
1か月後、元請け業者からA社に届いたメールでは…
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『代わりに行った工事費用などを精査した結果、未払い額より我々の立て替え額の方が大きくなったため、差額の数千万円をA社から我々に支払ってほしい』
未払い金を支払うどころか、逆に数千万円を請求してきたのです。
(1次下請けA社)「あきれるというか、正直、何をおっしゃっているんだろうと。本当に限られた工期で実際進めていく中で、さまざまな変更であったり、元請さんからの要望で工事が止まってしまったり…。私たちの不履行で工事が終わらなかったと言われても、我々は精一杯できることはやっていた」
訴訟に対し、元請け業者は「コメントできません」としています。
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一方、マルタ政府代表は「元請け業者への支払いは全額完了していて、マルタは紛争当事者ではありません。民間企業の紛争によりマルタの評判が損なわれることは誠に遺憾です」とコメントしています。














