意識戻らぬ息子に『お父さん、将太も休ませてあげてよ。寝かせてあげて』

 病院へ搬送された将太さん。医師らによって懸命に心臓マッサージなどが行われ、心肺蘇生を試みられます。しかし…

 「医師から『脳波に反応がないんですよ。心臓マッサージをやめていいですか?』と聞かれました。私は『そんなんあかんでしょ、続けてくださいよ』と、言いかけた時、横から娘が声を詰まらせながら『お父さん、将太をもう休ませてあげてよ。寝かせてあげてよ。頑張ったんやから、この子すごい頑張ったんやから』。そう言いました」

「帰る車の中で隣に座っていた家内がずっと一点を見つめて、『何でなん?何で将太なん?』と、何回も何回も繰り返し言っていました。私はもう感情が抜け落ちたようになって、呆然としているだけと。怒れない、泣けない、涙も出てこない。何をどう理解して、どう受け止めたらいいのかわからない。何が起こったのか。何が起こっているのか。何もかもが全くわからない。そんな状態で、朝を迎えました」