「うつ伏せに倒れた息子の手…握ると冷たかった」

 講演会で堤さんは、まず、事件発生当時の現場の状況を語りました。

 「息子はその当時、仲が良かった女子生徒と2人で、家の近所、住宅街の中で2人並んで座って話をしているところを、刃物を持った犯人に突然襲われて、頭や首、肩、胸、背中など上半身を複数箇所刺されて殺されてしまいました。刃物の先は肺にまで達していました。犯人は、息子に馬乗りになって刃物をふり上げていたと」

 その後、将太さんは現場周辺の人に助けを求めていたといいます。

 「歩いている間に数回『助けて!助けて』と声を出しています。もう潰れた肺で呼吸もできない中、ふらつきながら、精一杯助けを求めて叫びながら歩いたんだなと」