9日夜、線状降水帯が発生した鹿児島県内では、冠水やがけ崩れなどの被害が相次ぎました。

今後少しの雨でも土砂災害のおそれがあるため、引き続き警戒が必要です。

薩摩、大隅地方を中心に大雨となった9日。午後7時ごろには、今年全国で初めて線状降水帯が大隅地方で発生しました。

(記者)「肝付町では一帯が川のように冠水し、奥では車が動けなくなっている」

9日夜、1時間に70ミリの非常に激しい雨を観測した肝付町では、宮下橋近くの県道554号が60センチほど冠水し車2台が立往生。男女あわせて3人がボートなどで救助されけがはありませんでした。この冠水で住宅3棟が床下浸水しました。

(住民)「もう一瞬だった、(線状降水帯が)出たとたん」

一夜明け、朝早くから住民は復旧作業に追われていました。

(住民)「あそこまで、(雨水が)。(Q.もう少しで家の中に入るくらい?)泥がたくさんたまっていた」

被害はほかにも。

(記者)「道路が大きく陥没しています。側溝のパイプが外れて下敷きになっています」

肝付町では道路の陥没で、通行止めとなったほか、錦江町や南大隅町などでがけ崩れが発生し、一時交通に影響が出ました。

(記者)「鹿屋市の住宅、床下一面に泥がうまっていて、一歩踏み出すと動けないほど厚みを感じます」

鹿屋市南町では近くの山から土砂が民家に流れ込みました。

(住民)「泥だらけ。命だけあってよかった。どわって雨が降る、一気に(土砂が)きたんでしょうね。体力的にもちません」

そのほか指宿市でもがけ崩れが相次ぎ、南九州市頴娃町では、民家裏の斜面が高さ5メートル・幅3メートルにわたって崩れ土砂が敷地内に流れ込みました。

薩摩大隅地方はこれまでの雨で地盤が緩んでいるところがあり、今後少しの雨でも土砂災害のおそれがあるため、引き続き警戒が必要です。