東日本大震災で児童ら84人が亡くなった宮城県石巻市の大川小学校で、この春に県内で採用された教職員の研修会が10日開かれ、事前防災の大切さを学びました。

研修会には、県内の公立学校の新規採用教職員およそ130人が参加し、大川小で次女を亡くした元教諭の佐藤敏郎さんから学校防災の心構えを学びました。

大川小の遺族 佐藤敏郎さん:
「本気になることは今すぐにできる。時間も金もかからない。年齢も関係ない。本気になるかどうか。子どもが本気になるかどうかは、先生が本気になるかどうかということ」

研修は、震災で児童ら84人が亡くなった大川小を巡る津波訴訟で、学校防災の不備を認めた判決の確定を受け、2021年から始まりました。

佐藤さんは、児童たちの当日の行動を紹介し、命を守るために何をしておくべきか問いかけました。

中学校教諭:
「事前の準備、子どもたちの命、安全を守り抜くスキル、技術、常日頃の意識を持つことをこれからの日々で考えていきたい」

支援学校教諭:
「いつどこで何が起こるかわからない状況の中で、子どもたちをどう守っていくかを常に考えていかなければならない」

石巻市立湊中学校 平塚真一郎校長:
「子どもたちに話をする時は『防災は未来をつくる、未来の命をみんなの手で守ろう』と話をしている」

大川小で長女を亡くした石巻市立湊中学校の平塚真一郎校長の講話もあり、遺族と教員の立場から防災教育の重要性を訴えました。