日本列島では、この一週間で梅雨入りのニュースが相次いでいます。6月10日には北陸地方でも梅雨入りが発表されました。一部地域では大雨が観測されており、青果物市場には先行きの不透明感が漂い始めています。
大雨は露地栽培の作物に直接的な被害をもたらすことがあります。例えば、激しい雨で花が落ちてしまえば、その後の収穫量に影響が出かねません。また、雨が降らずとも曇天が続けば、植物は光合成が十分にできずに花が咲きにくくなり、結果として実りが減ってしまうことも考えられます。
3日以上の大雨が続くと、その後の野菜の入荷量が大きく変わることから、この時期の相場は流動的になることが多く、週ごとに価格が変動します。
最新の情報を精査し、的確な情報提供に努めていますが、予期せぬ変動が生じる可能性もございますこと、何卒ご容赦ください。
こうした状況を踏まえ、今週は全体的に相場が上昇すると予測しています。5月の大型連休明けから先週まで、一般野菜、特にレタス・ハクサイ・キャベツといった葉物野菜は、平年比で3割から4割も安値で推移していました。
これから葉物野菜や一部の根菜類は、主産地が暖かい平地から、涼しい気候の高原へと移行する時期に入ります。このため、値段は平年並みの水準まで上昇すると見ていますが、現産地の残量と次期産地の出荷タイミングによって、品目ごとの価格変動は異なります。

例えば、大根は北海道産や青森産の入荷が遅れ気味であり、地物や千葉県産の残量が少ないため、1割ほど価格が上昇する見込みです。

一方、キャベツは千葉県産の在庫が豊富であることに加え、関東北部(群馬、茨城など)からの出荷が増加傾向にあるため、価格は下がる傾向にあります。