私たちにできること
藤井さんは最後に、日本の現状に触れながら、個人でできることを提案します。「日本では農業を専業でやっている人(基幹的農業従事者)は国民の1%ほどしかいません。ほとんどの人は自分の食べているものがどう作られてどこから来ているのか、イメージがつきにくくなっている」
その解決策として、「プランターでもいいから何か植物を育ててみることで、土や農業へのリアリティが湧いてくるのではないか」と藤井さんは提案します。「ボタンを押せば農作物が届くという距離感ではなく、今年は暑すぎて野菜がうまく育たないとか、自分の問題として捉えられるようになると良いと思います」
初心者には「プチトマト」がおすすめだそうです。「素人の私でもプチトマトだけはちゃんと育ちます。ただ、普通のトマトは難しいので避けた方がいいでしょう」と藤井さんはアドバイスします。
土は人類の未来を左右する重要な資源であり、その保全は私たち一人ひとりの意識と行動にかかっています。土への理解を深め、身近なところから関わりを持つことが、持続可能な未来への第一歩なのかもしれません。