こちら地域エコノミストの藻谷浩介さんです。

日本総合研究所で地域振興や人口問題を研究していて、TBSテレビの「ニュース23」にコメンテーターとして出演しています。その藻谷さん、5日間にわたって三島村の3つの島をめぐり島の人たちと交流しました。その模様を取材し、三島村の現状と課題を考えます。

今回は島の「産業」についてです。

(藻谷浩介さん)「何よりも実際住んでいる人たちがどういうことを考えて、何を感じているかに興味がある。みなさんは決してそんなに悪い状態じゃない。楽しいと思っているならば全く間違ってないと伝えたい」

藻谷さんは平成の大合併前、全国に3200あった市町村すべてに足を運んだほか、世界142か国を旅しました。

三島村には18年ぶりの訪問で、最初に訪れたのは3つの島で人口が56人と最も少ない竹島です。

(記者)「本土から30キロほど離れた三島村の竹島。竹で覆われた島の基幹産業が畜産業」

(藻谷浩介さん)「島の資源で外から極力物を持ってこないで作れる。すごくリーズナブル。牛はグラム単価が高い。とても理に適ったことをしている、逆にそうでないものは残らなかった」

藻谷さんは竹島、硫黄島、黒島の3つの島を5日間でめぐり、島の現状を視察しながら「地域の暮らしを守る重要性」について講演しました。

(藻谷浩介さん)「(人口問題は)田舎の一部が先に再生する。その実験をやっているのがここ。今住んでいる人が『楽しいよね』『一生いるか分からないがここにいる間は楽しかったよ』次の人が『楽しいなら来てみよう』と来ることが繋がるかどうかにかかっている。(三島村は)900年間そうしてきたから。バトンを繋いできた人がいる。今バトンを繋ぐのはみなさん」

(黒島・30代 杜氏)「自分が(島に)持っていたイメージが180度変わった。三島村でなぜ暮らして働くのか良いモチベーションになった」

(竹島・40代 商店経営)「離島は課題の先進地と言われる。課題も先に来るが可能性も先に来ていると話があり納得感があった」