6月に入り、屋久島の森は華やかな季節を迎えようとしています。取材班が梅雨の晴れ間に山に入りました。

標高1380メートル。森の中を流れる清流、淀川です。

この季節は、新緑が水面に映えて美しい風景を見せてくれます。橋を渡る登山者が思わず立ち止まる場所です。

(オーストラリアから)「屋久島は美しい、素晴らしい」「登山して風景を見たい」

今回、取材班が目指すのは、標高1660メートルの黒味岳を望む展望所。咲き始めたヤクシマシャクナゲに出会えるかもしれません。

ヤクシマシャクナゲは屋久島固有の植物。標高の高い場所に自生し、通常見られるシャクナゲよりも、小ぶりです。

(記者)「淀川登山口から山道を歩くこと、およそ1時間。黒味岳が見える場所まで来ました。屋久島は、これからの季節、登山とシャクナゲを同時に楽しむことが出来ます」

(京都から)「すごく素敵」

ことしのヤクシマシャクナゲの開花は去年より少し遅めのようです。

(ガイド 田平拓也さん)「もしかした、今年も満開になるかも」

ヤクシマシャクナゲは屋久島の山の神と里の人々をつなぐ花として知られています。

山の神に五穀豊穣などを願う「岳参り」の時に、神の許しを得てヤクシマシャクナゲを少しだけいただいて里に持って帰るのです。

ヤクシマシャクナゲはあと1週間ほど山を彩ることになりそうです。