政治部・後藤部長の「リアルポリティクス」です。北朝鮮が連日のようにミサイル発射を繰り返しています。11月3日にはJアラートが発動されたものの日本列島を通過せず、その正確性を疑問視する声も上がります。
北朝鮮のミサイルに関する“高まる危機”に日本政府はどう取り組んでいくべきなのか?後藤部長が解説します。
後藤政治部長:
このところ北朝鮮の弾道ミサイル発射が激しくなっています。
ーー11月3日には午前と夜に断続的にミサイルが発射されました。Jアラートが発令されましたが、日本列島を通過しなかったということですね。
後藤政治部長:
Jアラートの期待されている役割から考えるとどうかと思う。浜田防衛大臣も直後の記者会見で「日本列島をこえて飛行する可能性を探知してJアラートを公表したが、確認したところ日本列島をこえなかった、日本海上空にて消失したので訂正する」と説明しています。レーダーから消えてしまったという説明だと思うが、なぜ予測通りの結果が出なかったのかは検証の必要があります。
それとJアラートの話は少し置いておいて日本政府がミサイルについてやれること何をするべきかを考えていきたい。日本は協力関係を作ることが大切だと思う。具体的には韓国ですが、韓国も日本と同じように北のミサイルの危機にさらされています。
韓国軍もミサイルの発射については発信があるがこうしたところの情報共有が大切になってくると思う。
ーー日本政府または岸田総理は韓国との関係で何か動きを見せているのでしょうか?
後藤政治部長:
注目したいのは、自民党の麻生副総裁の韓国訪問です。11月2日に麻生さんは韓国を訪れています。この韓国訪問のメインの目的はユン大統領との会談でした。当然、岸田総理から色々なことを託されてあったのだと思います。
実は麻生さんは、10月29日に都内のホテルのステーキハウスで岸田総理と1対1の会談を行っています。およそ2時間の会談でした。政治家の会談では“サシ”と呼ばれる1対1の会談は非常に意味があるモノなんですね。
ーーサシというのは差し向かいのサシということですね。どう言った意味で重要なのですか?
後藤政治部長:
2人だけですから情報が漏れづらい。つまり会談に参加したどちらかがリークしなければ漏れないわけですから。情報が漏れづらいとなるかかなり踏み込んだ話をしたことも予想されます。現職総理と与党副総裁のサシの会談ですから、韓国とどう向き合っていくかという話もあったと想像できます。ユン大統領とどういう話をするかについてもおそらく麻生さんは岸田さんと擦り合わせがあったと思います。
11月2日の夕方に麻生さんはユン大統領と会談を行っていますが、会談の内容について韓国大統領府のブリーフでは麻生さんから「両国間の対話と協力の持続する必要がある、両国関係の早急な復元と発展に向けて引き続き努力する」ことを訴えたと伝えられています。
韓国とはこの数年非常に険悪な関係となっていましたから、「早く修復していく必要がありますね」というメッセージを発したというのが公式の発表ですがおそらくそれだけではなく詳細は明らかになっていないだけに様々なやりとりがあったのだと思います。
ーー韓国だけでなく、やはり北朝鮮情勢などについても話し合われたとみて良いのでしょうか?
後藤政治部長:
そうでしょうね。当然そこにはあったのだと思います。北朝鮮のミサイルに関して情報共有がいかに大切かと話しましたが、その中でも大切なのは韓国の存在。一連のミサイル対応を見ても、韓国軍の発表と防衛省の発表で若干違い差異が伺える。
例えば韓国側でミサイル発射が報じられているけど、日本の防衛省ではそのミサイルについては発表がないとかの差異、違いがあると思う。ミサイルの観測地点や角度などの違いもあると思う。双方の情報をクロスさせていかなければ正確な情報が出てこないと思う。
これからJアラートの改修という話も出てくると思いますが、その場合にも韓国側との協力が大切になってくると思います。
ーー協力の中身は情報もそうでしょうし、どこまで広がっていくのでしょうか?
後藤政治部長:
一義的には技術的にどう取り組んでいくかという話になると思うが、日本と韓国が協力することによってアメリカを引き込むことも出来ます。東アジアの情勢、中国の存在も含めて考えると、日本と韓国がまず協力関係を強固にしないと中々立ち向かえないという現状認識を持ってアメリカのコミットを引き出す。そうした枠組みが必要になってくると思う。それがひいては防衛の面だけでなく外交でも生きてくる。北に対して一枚岩で向かっていると言うことになれば状況は変わってくると思う。
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