ーー岸田総理の役割も問われてきますね?
後藤政治部長:
麻生さんはあくまで岸田総理のエージェント=代理人としてユン大統領との会談に臨んだと思う。やはり岸田さん本人がどう向き合うかが問われると思う。
実は11月は外交月間で大きな国際会議が控えています。G20と呼ばれる20か国の国や地域の首脳が一堂に会する会議です。ここには日本、アメリカなどのG7と呼ばれる西側首脳だけでなく、中国や韓国の首脳も参加します。G20の特徴はこの場を活用して首脳同士が1対1の会談を行うことが出来る点です。ここでは岸田総理は当然、韓国のユン大統領とも会うでしょうし、もう1つは北朝鮮に影響力を持つ中国の習近平国家主席とも会談するのではと注目を集めています。
ーー中国も重要ですね。
後藤政治部長:
アメリカ、韓国、日本で北とは向き合うのですが、対話する場合、最悪の軍事衝突を避けるためには中国の存在は必要ですから、せっかくの機会です。習国家主席も共産党大会で5年の体制がさらに続きます。習主席と岸田さんが、日中首脳会談が実現するのであれば「中国はどう北朝鮮をグリップしていくのか」などについて徹底的に話し合ってもらいたいと思う。
こうした中韓の首脳らと岸田総理どう渡り合っていくのか。力量が問われることになると思います。
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後藤俊広
TBSテレビ 報道局政治部長
小泉純一郎内閣時から政治報道に携わる。郵政民営化を巡る自民党の小泉VS民営化反対派の闘いや自民→民主、民主→自民の2度の政権交代などを現場記者として取材する。趣味はプロ野球観戦で中日ドラゴンズの落合博満元監督を取り上げた「嫌われた監督」が座右の書
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