8月には新米流通 銘柄米「古米」になる前に安くなる?

大潟村あきたこまち生産者協会の涌井徹会長によりますと、2024年産(平均)の玄米60㎏のスポット価格が▼5月26日週 約4万7000円だったのが、 ▼6月5日週 約4万3000円と4000円も値下がりしているということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 
現在、店頭に「2000円の備蓄米」と「4500円の銘柄米」が並んでいますが、多くの人はやはり「2000円の備蓄米」を選んでしまいますよね。

今後、残りの政府備蓄米が放出されるとみられているので、消費者としては「しばらく様子を見ようかな」ということになり、結果、銘柄米を手にする人が少なくなるので、関係者としては「将来的に売れなくなってしまうのでは」と反応し始めたということでしょう。

出水麻衣キャスター:
2024年産(平均)の価格をみると、相対取引価格とスポット取引価格で2万円くらいの差がありますが…

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 
タイムラグが一つの要因となっています。相対取引価格の方が先に価格が決まるのですが、スポット取引価格はデイリーで取引されているので、今回のような「コメ騒動」のようなことがあると価格が跳ね上がることもあるんです。

井上キャスター:
スポット取引価格が1週間で4000円ほど急落したことについて大潟村あきたこまち生産者協会の涌井徹会長は「2000円の備蓄米が出始めたことにより4500円の銘柄米が売れない」といいます。

つまり卸売業者としては銘柄米の価格が下がることを想定して“買い控え”をしたり、8月には新米が流通するので手元にあるコメが「古米」になる前に売り切りたいという事情から、少しずつ値段を下げているのではないかというのです。

政府は5日夕方から始まる関係閣僚会議で▼コメ価格高騰の原因分析 ▼今後の対応を議論するということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 
当面の課題はまず「何で高くなったのか」という検証です。検証を受けてすぐできること、中長期的にやることの区分けが必要になってくるでしょう。

ただ基本的に大事なのは中長期的に「本当にコメの量が足りているのかどうか」という点をまず検証しないといけません。そこがある程度見えてくれば全体的な中長期的対策が打ちやすくなるのですが、政府関係者からは「生産者のことを考えるとそんなに安くはできないと」という意見も出始めているようです。

政府にはこの1年間、何をやっていたのかという検証もしてほしいですよね。「コメは足りている」と言っていて結局、新しい手を打っていなかった。そこからまずチェックしないと根本的な解決にはならないですよね。

出水キャスター:
選挙も控えていますので、不都合な真実というのはなかなか出てこないのではないでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん: 
生産者に対しても消費者に対してもそれは明らかにありますね。

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〈プロフィール〉
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年