大阪の中学生たちが修学旅行で福島県内の被災地を訪れ、新地町の生徒と交流しました。交流を通じて、震災の教訓を学び、防災への意識を高めました。
4日、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れたのは、大阪の豊中第一中学校の3年生およそ200人です。今回、初めて修学旅行で県内を訪れ、2泊3日の日程で福島と宮城の被災地に足を運びます。

豊中第一中学校・坂祐太教諭「僕自身も東日本大震災の後、宮城や福島に来ることがすごく多くて、その中で、命についてもう一度考える機会をちゃんと持ってほしい(という思いで修学旅行先に選んだ)」
一緒に見学するのは、新地町の尚英中学校の生徒たちです。2つの学校では、おととしから防災教育をテーマに生徒会の生徒などが交流を続けてきました。
鈴木夕里菜アナウンサー「こちらは津波で流されてしまったランドセルです。被害の大きさを物語る展示物を目の当たりにして、大阪の中学生は真剣な表情で学んでいます」
震災の年に生まれた生徒たち。14年前に県内を襲った震災、そして原発事故を自分の事として目に焼き付けていました。
豊中第一中の生徒「(東日本大震災のことを)全然覚えていなくて、実際にここに来てこんなことがあったと知って胸が痛くなった」
豊中第一中の生徒「南海トラフ地震は、場所も被害の大きさも分かっているので、率先して動けるようにという思いがより深まる経験になった」
その後、新地町を訪れ、今回の体験で学んだことをグループごとに話し合い、震災の教訓をどのように生かしていくかを発表しました。
豊中第一中の生徒「この伝承館で見たこと、聞いたことを色々な人に話し、災害の怖さを改めて知ってもらい、命を大切にしてほしいと思いました。(尚英中との交流では)自分たちと違う角度の意見を聞くことができてとても勉強になったし、自分たちが行っている防災の活動にも生かせたらと思った」
尚英中の生徒「大阪でもしも大きな地震とかがあったら、新地町代表として積極的に行動したい」
震災・原発事故をきっかけに絆を深めた福島と大阪の中学生たち。今後も災害から「命を守る」防災教育に取り組んでいきます。

▽震災・原発事故から14年が経ち、記憶や教訓の風化が課題となる中、昨年度「東日本大震災・原子力災害伝承館」に県外から教育旅行で訪れた人は8088人と、年々増加しているということです。