■ 子どもから “産んで欲しくなかった”

油症認定患者:
「黒い赤ちゃんが生まれたとか言いよったでしょ。そんなことしか分からないから…」

油症次世代(孫):
「(今回の調査があるまで)全くカネミ油のことは知らなかった。ないと言えばない、あると言えばある。すべてが因果関係でこうだ、ああだ、と言ってもしょうがないところがあるので」

記者:「子供が黒い赤ちゃん?」
油症認定患者:
「はい。(子どもを)病院にも連れて行けなかったんですよ。やはり(妻が)見せたくなかったんじゃないですか。私も見たくもなかった」
記者:「黒い赤ちゃんだったって本人には?」
油症認定患者:「言っていないです」

油症認定患者:
「油症であることを隠して嫁いだんです。ずっと隠し続けました。
そしたら私が入院した時に長女が書類を見てしまって…(バレた)。
(長女には)『言ったらいけないことだ』と思ったと(言った)。(長女からは)『自分も同じ症状があるから なんでこんなの?』って尋ねられました。
『産んでほしくなかった』って娘2人に言われました。子どもたちを生まなければよかったと…私、お詫びのしようがない」

油症認定患者:
「息子が先天性の心臓病だったから…それでものすごく苦労してきました。(次世代のことは)もう私、あんまり考えたくないのよ…考えないようにしてます。怖いから」

油症認定患者(胎児性):
「自分はお腹の中に入ってた」
油症認定患者:
「胎児性なんですよ。この子は胎児性で真っ黒で生まれてきました。顔のぷりぷりむけて」

当時、黒い赤ちゃんとして報道されたという男性──

子どもの頃は身体が弱く、今も倦怠感が強いものの、運送業などで3人の子供を育て上げ、子供達にも今の所、目立った症状はないと言います。

油症次世代(子):
「私はまだ(油症次世代という)実感が全然ないので…はい」