病室から世界へ…テクノロジーが開く“舞台”

また、コロナ禍で外出がままならなくなり、社会との隔絶を強く感じていた松原さんに新たな扉を開いたのが分身ロボット「OriHime」でした。

「OriHime」はインターネットを通じて遠隔操作することで、その場にいるかのようにコミュニケーションが取れるロボットです。

松原さんは東京・日本橋にある「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」の「公認OriHime(オリヒメ)パイロット」として病室から"出勤"し、接客などを行っています。「たとえ寝たきりでも、会いたい人に会えて、仲間と一緒に働ける」というカフェのコンセプトは、松原さんの「人と社会と繋がり続けたい」という切実な願いと重なりました。

松原葉子さん
「もっぱらアナログ派で、テクノロジーとはほど遠いところにいたはずの私が、なぜ今、テクノロジーの力を借りて新たな挑戦を始めたのか。一つは、外出困難者としての叫び。もう一つは、神の恩寵にどう応えていくのか、という切実な問いがあったからです」