鹿児島大学などの研究チームは、奄美大島以南の海に生息する新種のエソ科の魚を見つけたと発表しました。体がやや黒ずんでいていることから、奄美大島の伝統工芸品、大島紬を作る際の「泥染め」にちなんで「ドロゾメエソ」と名付けられました。

「ドロゾメエソ」は、水深40〜180メートルのやや深い場所に生息し、体長50センチほどの個体もいる大型のエソ科の魚です。

これまで同じエソの仲間の「クロエソ」や「ワニエソ」と間違えられてきましたが、大学院生の古橋龍星さんらが研究し、うろこの数や歯の形態、遺伝的な特徴などから別の種類であるとが分かり、先月、日本魚類学会が発行する英文誌の電子版に新種として掲載されました。

鹿児島大学総合研究博物館の本村浩之教授は、「今回の新種は、奄美の豊かな海を改めて再認識させるもの。奄美の方々には、地元の海にまだ多くの未知の魚が生息していることを知ってほしい」としています。