6月1日から、罪を犯した人に科される刑罰が変わります。これまでの「懲役刑」と「禁錮刑」が廃止され、「拘禁刑」という新たな刑罰が導入されるのです。「懲らしめ」から「立ち直り支援」へ。大きく変わろうとしている刑務所の今を、取材しました。
「懲らしめ」を転換 懲役を廃止 6月から拘禁刑へ
東京・府中市にある「府中刑務所」。約1800人の受刑者を収容するこの刑務所では、6月から導入される拘禁刑を見越し、ある取り組みを始めています。

寝転んでストレッチをしたり、台に向かってお手玉を投げたり、パソコンでゲーム のようなものに取り組む受刑者も。これは「機能向上作業」と呼ばれるもので、高齢受刑者の体や脳の働きを高めるために行われています。
受刑者(86歳)
「事件はね、窃盗。3年2か月なんですね、刑は。」
この受刑者は86歳。盗みを繰り返し、2024年7月から服役していますが…

受刑者(86歳)
「休憩だよ」
腰痛で歩くことすらままならず、工場での作業が行えません。府中刑務所では65歳以上の受刑者の割合は約2割に上り、高齢受刑者の増加が大きな課題になっています。
そこで、出所後に再び罪を犯さず、自立した生活を送れるように、高齢受刑者にこうした作業をさせているのです。

作業療法士の職員
「自分の体が動かせて、自分で選択できるという能力を持って出所していかないことにはやはり更生できないんじゃないのかな」














