”汗を眠らせ”コントロールする時代到来?
夏といえば、汗の悩み。汗をたくさんかく人が仕事に支障をきたすなどして月に3120億円の経済損失が生まれているという研究結果もあります。
そこにビジネスチャンスを見出し、研究・開発を進めているのが化粧品メーカーのマンダムです。
(マンダム・久加亜由美さん)
「私たちは『汗を眠らせる』技術を研究をしています」
一体どういうことなのか? 汗を“眠らせる”という「新時代の制汗剤」のサンプルを左の脇だけに塗り、その部分の汗をどれだけ抑えられるのか、実験しました。夏を再現したという室温30℃・湿度60%の部屋で、記者が黙々とペダルをこぎます。約15分たつと…
たしかに、制汗剤を塗った左側は、汗をかいている範囲が狭いようです。
この「新時代の制汗剤」は、大阪大学とマンダムが共同で研究しています。従来の制汗剤は、汗の出口にフタをするものでしたが、研究チームは、そもそも汗が汗腺が収縮して出ているという仕組みを解明。
そこでGMA(グリチルリチン酸モノアンモニウム)という物質を使い、汗腺自体の収縮を眠らせることで、汗を根本から止める方法を開発したのです!
(大阪大学・原武史 招聘准教授 ※マンダムから出向中)
「従来の制汗技術は100年以上前の技術であって、全然変わっていなかった。今回の汗を眠らせる技術をしっかりと組み合わせることができれば、いままでの制汗のデオドラントにはない、もっと汗を抑えることができる製品を開発できるのでは」
この研究の実用化が進めば、汗を思い通りにコントロールできる日が来るかもしれません。
“沸騰化”する暑さ。企業の創意工夫が、私たちにも経済にも、心地いい風を吹かせることになりそうです!