インターネットや大手の販売店などでは「備蓄米」販売へ向けた動きが加速する一方で、申し込みの対象ではない地方の店ではコメ不足は続いていて悲鳴も聞かれます。

(原田吉蔵商店 原田昌作店主)「小さい袋があった。5キロの袋が1つしかなくなってしまった。空になっている」

日置市で創業66年のコメ販売店です。2か月前は「つや姫」など5種類のコメを取り扱っていましたがブランド米の不足で現在は混合米の1種類のみに。価格も去年12月は5キロ2000円ほどだったのが現在は倍の4000円ほどになりました。

地域の病院や外出の難しい高齢者への宅配販売を行っていますが、販売出来るコメの種類も限られてきているといいます。

(原田吉蔵商店 原田昌作店主)
「高いね、おいしいの食べたい(と言われる)。ごめんなさい、これしかないので(というしかない)」

「年末ぐらいからどんどん上がって、最終的には倍ぐらいになった。初めて。1回、凶作でタイからコメを入れた時よりもひどい」

30日から中小のスーパーなどを対象とした2021年産の備蓄米“古古古米”の契約受付が始まりましたが、対象は一定の取扱量がある中小のスーパーと精米ができる町のコメ店です。

こちらの店には精米機がなく、卸売り業者を介して仕入れる必要があるため備蓄米を待つしかなく、店頭に並ぶ見通しは立っていません。

(コメを買う常連)
「(備蓄米は)1回は食べてもいいかな。おいしかったらこまめに使うかも。その時の懐具合かな」

「近所にがんばってもらう(コメ店)があると助かる」

(原田吉蔵商店 原田昌作店主)
「精米できないので卸業者にお願いして精米してもらったものを袋詰めして売るしかない。量が欲しい人は(備蓄米)がいいかもしれない、おいしいコメが欲しい人は高くてもいいという人もいる。8月過ぎから新米が出てくるから、どうなるのか様子をみている」

ネット通販などで続々とはじまった備蓄米の販売。地方に行き届くまではしばらく時間がかかりそうです。