SDGs14番「海の豊かさを守ろう」につながる話題です。
世界的な問題になっている海洋ごみ問題。山形県の庄内浜も例外ではありません。
今年夏、地元の地区協議会が除雪機を改造し、海岸のごみの回収機械をつくりました。美しい海岸の復活につながるか、期待が高まっています。

住民を悩ませる『海洋ごみ』

山形県鶴岡市の由良海岸です。
白山島とそこにかかる赤い橋がシンボルで、夏には多くの海水浴客が訪れます。
しかし、この海岸も海洋ごみ問題に悩まされていました。

由良地区の協議会、ゆらまちっく戦略会議の齋藤勝三さんです。子供のころに裸足で歩けた海岸も、海洋ごみが目立つようになりました。
特にこれからの冬の時期は海に大量のごみが流れ着き住民たちにとっても悩みの種。一冬のごみがたまった海岸は大きなごみも目立ちます。
2021年4月撮影:海岸いっぱいにごみが散乱している
住民らが定期的に清掃活動を行っていますが、中でも特に問題になっているのがマイクロプラスチック。ペットボトルやビニール袋などからできる5mm以下の小さなプラスチック片のことを言い、海の生態系への影響も心配されています。
住民らを悩ませる小さなごみ
ゆらまちっく戦略会議
齋藤勝三さん
「これを人の手で取ろうと言ったって、なかなかそこまではいかない」

大きなごみも厄介者ですが、小さなごみはふるいを使って砂と分けるといった手間がかかり、そう簡単に取り除くことはできません。

すくい上げた砂には100以上のごみが・・・

こちらは、海洋振興を行う団体が由良海岸にどれくらいのごみあるかを調べた時の様子。
両手で救い上げた砂
砂の中から197個のごみが確認された
両手ですくい上げた砂の中からごみを探し出していくと、なんと197個も入っていることがわかりました。この中にはマイクロプラスチックも多く含まれています。

ゆらまちっく戦略会議
齋藤勝三さん
「どうやったらこのちっこいごみを拾えるか。(試行錯誤が)7年間ですよ」

ゆらまちっく戦略会議では、効率的に小さなごみを集めることはできないか7年間にわたり試行錯誤を重ね、今年、除雪機を改造した機械を作り上げました。

試行錯誤7年 完成した“除プラ機”


除雪機ならぬ“除プラ機”。
雪をかき出すローターブレードが砂を巻き上げ、雪を吐き出す排出口の先にネットを取り付けることで、ミリ単位でごみと砂を分離します。

ゆらまちっく戦略会議
齋藤勝三さん
「この除プラ機が活躍すれば、きれいな砂浜が戻ってくる。」

目指しているのは、かつての裸足で歩ける海岸。

ゆらまちっく戦略会議
齋藤勝三さん
「きょう遊びにきている子供たちに、もっときれいな由良海岸を提供できるかと思って、いまからワクワクしている」