京町家をゲストハウスに ”京都らしさ体験”を提供する外国人
京町家を残すためにゲストハウスとして運用する外国人もいます。
(ゲストハウス「七条みやび」 鄧さん)「台湾ではこういう町家のような建物がなかなかないです。中に入ると昭和とか大正時代に行ってしまうような感じがすごく面白いなと」
台湾出身の鄧(とう)さん。京都の大学に留学していたころ、京町家の継承について研究していました。
(ゲストハウス「七条みやび」 鄧さん)「町家を保存したい。でも保存するとなると資金がたくさんいるので、どうすればいいのかという研究の中で町家ゲストハウスをつくろうとなった」
古い京町家を借り、金融機関からの融資などをもとに約2800万円かけて改装しました。改装費や維持費をゲストハウスの収益でまかなうことで負担を軽減しながら、京町家を守ることができると考えたのです。
(ゲストハウス「七条みやび」 鄧さん)「ホテルの形や雰囲気は、ほとんど自分の国(のホテル)と同じ。町家は(ホテルとは)全く違う生活スタイルの宿泊施設だということが海外の方にとってすごく魅力があるんじゃないかと」
宿泊者の9割は海外から。取材した日はノルウェーから家族連れがやってきました。
(ノルウェーからの宿泊客)「東京では普通のホテルに泊まったので、京都では違ったものを探していた。写真を見てとてもすばらしかったので泊まってみたかった」
京都の伝統的な町家に宿泊するのは初めてだという家族。見慣れない建物に興味津々です。
(宿泊客)「ここは寝室にも?」
(鄧さん)「なります。畳の部屋です。小さくてかわいい部屋もあります」
(宿泊客)「とてもすてきだわ」
鄧さんはさまざまな国から来る宿泊客に京都らしさを体験してもらい、その魅力をぜひ知ってほしいと話します。
(ゲストハウス「七条みやび」 鄧さん)「縁側で座りながら庭をみたり、畳の上に寝転んだり。京町家に泊まりに来て良い体験をしてもらうことがいちばんうれしい」
世界から注目される京町家。京都市は日本人、外国人にかかわらず地域への理解をもって活用し、次の世代に残すことが大切だとしていて、今後、所有者の負担を軽くする措置なども検討するということです。