小売価格の平均が過去最高値を更新する「コメ」についてです。農家からも、現在の値段は高いとしてコメ離れを懸念し、対策を求める声が上がっています
青森県南部町の農業法人「山金」は、56ヘクタールで「まっしぐら」と「はれわたり」を栽培しています。
日々、気にかけているのは「コメの取引価格」です。
山金 山道金太郎 代表取締役
「肥料は高騰する、油は高騰する、本当に明るい農業ではなく、暗い農業をしてきた。いままでの疲れがとれたような金額になっていて、いい価格帯になっている」
ただ、コメの高騰は消費者には痛手となります。
全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの平均価格は、5月18日までの1週間は4285円で過去最高値を更新。
こうしたなか、小泉進次郎農林水産大臣は「熱くなりすぎているコメのマーケットを冷やす」ために、備蓄米を大手スーパーなどで6月上旬に5kg・2000円程度での販売を目指しています。
その上で、今後のコメ生産の方向性を打ち出すとしています。
小泉進次郎 農林水産大臣
「今後の方向性のなかでは、(コメを)作るなということではなくて、しっかりと需給に応じた生産、需要に応じた生産というものがかなうような形で、方向性を考えつつ、いま目の前のコメの異常な高騰を抑えて、中長期的なことも政府をあげて検討していければと思っています」
山金ではいま、出荷している「まっしぐら」の玄米は概算金が60kgあたり2万4000円、2023年の倍の値段となっています。
これが継続して2万円~2万4000円で取り引きできる環境を作ることを、政府に求めています。
山金 山道金太郎 代表取締役
「(いまの小売価格は)生産者としてもやや高いなという気はしています。5kg・3500円くらいがいいかなという思いがあります。生産者もよく、消費者もいい値段。その辺を農水省が考えて指導していければ、農家も消費者もいいと思う」
コメは「小売価格」にとどまらず、農業を維持できる体制作りなど多くの課題が山積みとなっています。