他のコメの値下がりは…あまり期待できない!?

 残る課題は「公正性」。今回放出された備蓄米は30万トンで家庭用米の1か月分。安く販売されても買える人・買えない人が出て、買い占めが起きればさらなる不公平感を生む可能性があります。また、折笠氏は地域間での販売格差も懸念しています。

 また、他のコメの価格が下がるのかという問題も。折笠氏は、すぐには価格は下がらず、7月~8月頃から下がり始めるかもしれないと分析ます。ただ、すでに卸売り業者や小売り業者が、仕入れ価格を下回って売ることはできないため、安くなる幅は300円~400円程度だという見解です。

 また、今年の秋の新米の概算金(JAなどの集荷業者が生産者の出荷の際に支払う仮渡金)も集荷競争の激化で高騰していることも考えると、販売価格は安くなっても5kg3700円~3800円なのではないかということです。

 まだ多くの課題を抱えるコメ問題。根本的解決は何なのか、さらに考えていく必要がありそうです。