牛丼、うどんに次ぐ「第3の柱」はラーメン

成瀬新社長が掲げる経営方針「変身と成長」のカギを握るのが、牛丼、うどんに次ぐ第3の柱“ラーメン事業”です。

吉野家HD 成瀬哲也新社長
「長期的には世界で一番ラーメンを提供している、そういうグループになりたい」

吉野家HDは2016年に東京・世田谷に本店を構える「せたが屋」グループを買収し、現在31店舗を展開しています。成瀬社長はラーメン事業の売上高を2029年度には現在の5倍の400億円に伸ばし、店舗数を500店舗に拡大する方針です。

「私たちとプライスラインが違ったところで、世界で戦うことができる数少ない商品のひとつ」と話す成瀬新社長。牛丼並盛498円に対し、ラーメンは一般的に1000円前後と単価設定が高めで収益増加が期待できます。

さらに吉野家が培ってきた食材の大量仕入れや無駄のない調理とスピーディーな提供を実現する「マスマーチャンダイジング」と呼ばれるノウハウも活かす方針です。

吉野家HD 成瀬哲也新社長
「マスでやってきた吉野家もはなまるも培ってきたノウハウっていうのは、まだまだこれからラーメンで展開を目指していく上で必要な要素の一つですのでね」

ラーメン事業強化の背景には物価高による原料調達リスクの分散という狙いもあります。

4月10日、吉野家はコメなどの原材料価格や人件費上昇を受け、牛丼などを40~70円値上げしました。

吉野家HD 成瀬哲也新社長
「1円でも安いものが手に入るんだったらそういうソーシングをしなさいっていう教えで、お客様が一番だろっていうことは絶えずやっていますので」