8年前にジーンバンクから種を分けてもらい、再び栽培をはじめた宇都宮白楊高校の橋本教頭は。

宇都宮白楊高校 橋本智教頭
「ジーンバンクという施設で保管されていた、ある意味ではタイムカプセルのように半世紀の間、眠っていたものがまた復活できた。これは本当に奇跡のお米って言っていい」
宇都宮白楊高校 農業経営科3年生
「稲っていう生き物とか、命っていうものを通して歴史が受け継がれるっていうのは非常に素晴らしいことだと思います」
こうして復活を遂げた「エソジマモチ」は、その後…

活動に賛同した地元の工場が協力し“一番おいしく食べられるように”とおかきに加工しました。
宇都宮白楊高校 農業経営科3年生
「今度こそ絶滅しないように、絶やさないように後輩にも伝えていけたら」
本来ジーンバンクの種は研究用に配布されてますが、特別な許可を得て3年前から商品化。2022年も地元のスーパーで販売される予定です。

宇都宮白楊高校 橋本教頭
「ただ絶滅しそうだから守りましょうという活動じゃなくて、この地域の歴史的な、貴重な地域資源を将来に活かすために持続的な保存活動にしたい」
■世界食糧危機を救う!?“幻の米”は水田で無く畑で作れる
小川彩佳キャスター:
高校生活の取り組みによって復活した幻の米「エソジマモチ」と「おかき」です。私もいただきましたけれども、お米本来の味が感じられて、とても美味しかったですね。
国山ハセンキャスター:
このお米、もう1つ特徴があります。実は「陸稲(りくとう)」、つまり水田ではなくて、畑で作ることができるお米なんですよね。陸稲というのは日本ではわずか0.1%しか作られていないんですが、この陸稲の栽培技術を使えば、アフリカなど水不足の地域でもお米を栽培できるということなので、JICAなどが技術支援を始めているということなんです。
小川キャスター:
「エソジマモチ」が復活したことで、その栽培技術も継承されていくことになりますから、食料安全保障という大きな観点からも非常に意味のあることですね。