小泉新大臣は“農業のしがらみなし”か
実は、農水大臣は2000年以降、33人中10人辞任しています。一例として、赤城徳彦氏は政治と金の問題を受けて辞任に追い込まれました。また、遠藤武彦氏は補助金の不正受給に関する問題で、就任後わずか8日で辞任するという事態となりました。これついて、ジャーナリストの武田一顕氏は「農業を守る立場として、農家(大票田=選挙のときに多くの票が期待できるエリアなど)からの働きかけが多く、利権にまみれてしまうのではないか」とみています。
自民党内で石破総理は農政改革派で、事実上の減反政策はもうやめた方がいいのではないかという考えですが、森山裕幹事長は農水族の重鎮であり、森山幹事長が推薦したのが江藤前大臣でした。石破総理は少し森山幹事長の顔色をうかがってるところがありましたが、新大臣は約10年前に農政改革にチャレンジした小泉氏。横須賀出身で、選挙に強く、ある特定の業界団体を気にしなくても選挙で勝負できるという強み、農業のしがらみなしという人物です。
ジャーナリストの立岩陽一郎氏は「自民党は基本的にいわゆる農村政党。農業地域が自民党を支えてきたという歴史があり、いわゆる都市型政党ではない。小泉氏は都市型の政治家かもしれないが、自民党全体としてはやはり農村政党なので、農家の声は大きいわけです。小泉氏だけでなく総理も含めて団結して進むというふうにしないと、小泉氏が改革しますと言ったところで、その通りになるかというのは、ちょっと難しいかも知れない」とコメントします。