「4回目の入札中止」「随意契約を検討」

 備蓄米放出の流れを振り返ります。まず、政府はJAなどの大手集荷業者に対して入札を募ります。この大手集荷業者の中で高い額を入札した業者が落札。そのコメが卸売業者に渡り、その後、スーパーマーケットや飲食店に渡ります。

 これまで3回・約31万tの備蓄米が放出され、落札価格は60kg(1俵)あたり2万2477円でした。ちなみに、政府が備蓄米を買い入れた価格は、60kgあたり1万2829円(2023年度)。大手集荷業者の落札価格と政府がもともと買った額には1万円ぐらいの差があります。こうした中で、22日、小泉新大臣は「4回目の入札は中止する」ということを明言しました。
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 では、備蓄米放出の流れはどのように変わりそうなのか。備蓄米は、政府が選んだ業者に対して売却されるようですが、その際には、入札ではなく「随意契約を活用した売り渡しを検討するように」と石破総理から指示があったと小泉大臣は発言。契約に参加する業者は、例えばスーパーや外食など、「消費者に近い業者に入っていただきたい」としています。入札をやめ、集荷業者や卸売業者も通さずに、できるだけシンプルに小売店へ備蓄米を流し消費者に届けようという考えです。

 随意契約を検討するという点について、元農水官僚でキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「安く仕入れた備蓄米は安く売るという条件をつけないといけない」と指摘。山下氏は随意契約に関しては評価する一方、しっかり“条件”をつけるべきという見解です。