あさって3日、鹿児島県の曽於市大隅町岩川で3年ぶりに「弥五郎どん祭り」が開かれます。今も昔も変わらず大きな「弥五郎どん」を、岩川の町で見つけました。

曽於市大隅町の「さわ写真館」。営業を始めて来年で110年になる、老舗の写真スタジオです。

(澤さん)「昔はスタジオっていうのはないわけ。みんな出張撮影。外写しがほとんど」

二代目の澤俊文さん(82)です。長年、岩川で営業している澤さんの写真館には、昔の弥五郎どんの写真が残っていました。

(澤さん)「これ大正13年よね。冠がついてるのよ。いつごろ変わったんだろう…」

こちらの写真は、昭和13年=1938年に弥五郎どんを組み立てた青年団が、記念に岩川八幡神社で撮影したもの。

(澤さん)「よか塩梅でできたー、とかね、とか言って撮っていたらしい」

中には、3歳の頃の澤さんが父親と一緒に写った写真もありました。

(澤さん)「もうこの日になれば、いろんな地方から写真屋さんが来るわけ。みんな出張撮影。『写真を写しませんか?』といって回っていた」

澤さんの父・貫一さんの日記には、弥五郎どん祭りの日の様子が克明に記されていました。

『本日は八幡神社の例祭で早朝八幡まで行き、中判3枚を写し、多忙であった』

さわ写真館には、昭和初期に出張撮影で使われていた貴重なカメラも残されていました。このレンズが切り取ってきたシーンには、今も昔も変わらない、地元・岩川の人たちの弥五郎どんへの思いが写し出されています。

(澤さん)「昔は武道大会に来る子どもが多かった。それに親がついてくるわけでしょう。みんな弥五郎どんを見に行くわけだから、小学校の校庭もすごかった」

あさって3日に開催される「弥五郎どん祭り」。弥五郎どんが立つ岩川八幡神社では、今年はどのような光景が見られるのでしょうか。


巨大な弥五郎どんが街を練り歩く恒例の「浜下り」は、11月3日の午後1時に曽於市大隅町の岩川八幡神社を出発予定です。MBCテレビでは祭りの模様を12月11日に特別番組で放送する予定です。