JNN系列は今週、『SDGs地球を笑顔にするweek』と題して、様々な取り組みを紹介します。
今回は要らなくなったモノに光を当てるとともに生きがい作りを目指す、ある高齢者施設の活動に注目します。

高齢者施設で作られる人気商品


「今日は何袋くらい作りますか?」「4つか5つ…」

丁寧に袋詰め作業をする2人のお年寄り。
手にするのは、よ~く焼けた薄焼きせんべいかと思いきや…

【利用者の男性】「これお肉?質問されているんだけど…お魚だそうです。袋に詰めてペットショップで販売しています」
そう、実はペットのおやつ。知る人ぞ知る人気の商品です。

新潟市西区にある地域密着型デイサービス「えんでこ」。身体機能や認知機能などに衰えが見られる60代から90代の高齢者が通っています。

「お米研ぎをしてくれる人!」

一日の始まりはその日、自分がどんな仕事をして過ごすか、利用者自身が決めることから。ペットのおやつ作りは人気の作業です。


この日、仕入れに手を挙げたのは70代と80代の男性2人。車で10分ほどの地元のスーパーに向かいます。
魚売り場で目利きをすると思いきや…
受け取ったのは朝、捌いたばかりの魚のアラ。3キロ150円で購入し、仕入れ完了です。


せんべい作りは4人で作業。
新鮮なうちに骨についている魚の身をこそぎ落とします。

【利用者の70代男性】「身を取って、たたいて、細かくして乾燥させる。何にも大変じゃない、楽しいから」


本来なら捨てられてしまうものを再びカタチに。
残った骨も乾燥させてふりかけ商品にするなど、素材そのままを活かした手作りペットおやつの完成です。


食品ロス削減にもつながるこの取り組みこそ、ほかのデイサービスセンターにはない、「えんでこ」ならではの特徴でもあります。

【地域密着型デイサービス えんでこ 管理者 井口真紀さん】
循環型地域共生という考えに基づいて、地域で不要になったものをいただいて、そこに何らかの手を加えて必要な方に安価で販売するという形の活動をしている」