熱中症予防を目的とした改正労働安全衛生規則が来月1日から施行され、職場での対策が強化されます。

具体的には湿度などを基準にした「暑さ指数」が28度以上、または気温31度以上の環境で、連続1時間以上か1日4時間を超える作業が見込まれる場合、事業者に対して連絡体制の整備や救護措置の手順作成などが義務付けられます。これを怠った場合、拘禁刑や罰金が課せられる可能性があります。
この改正規則の施行を前に21日、長崎県時津町で労働基準監督署による事業所向けの説明会が開かれました。

ゴンドラの製造などを手掛ける「日本ビソー」で開かれた説明会には、従業員らおよそ100人が参加しました。

労基署によりますと去年、職場で熱中症になった人は全国で1195人と過去10年で最も多く、県内では24人と過去10年で2番目に多くなっていて、対策が急務となっています。

長崎労働基準監督署・井上和秀署長「熱中症の恐れのある作業員を早期に発見し状況に応じて迅速かつ適切に対処することが熱中症の重篤化を防ぐために最も重要」

職場での熱中症予防に特化したきょうの説明会では、有効な対策として2人1組となって体調を確認しながら仕事にあたることや、スマートウォッチなどを使って作業員の体調を現場と事務所が双方向に確認し合うことが紹介されました。
「大丈夫ですかー?」「めまいがします…」

このほか、熱中症患者の救護訓練も行われ、通報の仕方やAEDの使い方などを確認しました。

日本ビソー総務グループ長崎チーム・近藤佳幸チームリーダー「急いですぐ通報する、それがまず命にかかわってくるということをですね、すごく大事だというところに改めて気づかされました」

長崎労働基準監督署・井上和秀署長「学んだことを各現場に持ち帰っていただいて、職場の安全に資するように。また、各現場の方で今日の内容を生かすように仕事に励んでいただきたいと思います」
長崎労働基準監督署では今後も各事業所に対し改正規則の周知や個別指導を徹底するとしています。