大阪・関西万博は開幕から1か月が過ぎましたが、熊本県民の関心度はどれほどなのか。そして万博需要の取り込みに懸命な現場も取材しました。

万博のシンボル、大屋根リングに、公式キャラクターのミャクミャク。開幕1か月の来場者は300万人を超えましたが、気になるのが熊本での盛り上がりです。
万博初日の熊本駅で万博のことを聞いた時には・・・

――今日から万博が始まりますが、行きたいと思いますか?
熊本駅で「思いません。面白くさそうなので」
熊本駅で「いや、万博は大丈夫かな。若い人が行って楽しめないのではと思うので」

と評判はイマイチでした。あれから1か月、万博への関心度は変わったのでしょうか。

記者「万博への興味がどれくらいあるのか、街の人に聞きたいと思います」
熊本市内で100人に聞いたところ、6割以上が「万博に興味ある」と答え、実際に行ってみたいという人も・・・。ミャクミャク人気もあり、関心が少しずつ高まっているようです。

◆大阪・関西万博に興味はありますか?100人調査
「ある」65人
「ない」35人 RKK調べ
熊本県内の旅行会社も万博熱の高まりを感じています。

阪急交通社熊本支店 工藤和伸係長「現状の集客は1200人ほど。当初の想像以上というか、こんなにお客さんが動くんだなと」

この旅行会社が販売する万博ツアーの中で一番人気が、フェリーを使った2泊3日の商品です。ホテルを使わず行きと帰りのフェリーに泊まるため、代金は入場チケット付で4万円ほどと、費用を安く抑えられるのが人気の理由だとみています。そして、最近はこんな傾向も・・・
阪急交通社熊本支店 工藤和伸係長「フェリーはおひとりさまの参加も多い。あと2回目の方もいる。1回行ったけど、広くて回り切れかったのでまた行こうと」
すでに夏休み期間の予約も好調で9月、10月は「駆け込み需要」も期待できると言います。

一方、熊本市内では万博を盛り上げようと関連グッズの販売も始まりました。
鶴屋百貨店 瓜生美紀さん「お客様からの問い合わせがあったので、取引先にお願いして取り寄せました」
店頭に並ぶのはハンカチやエコバッグです。今月から販売を始めましたが、滑り出しは順調だということです。
鶴屋百貨店 瓜生美紀さん「ハンカチは100枚くらいは売れた。購入者は多いですね。この短期間の中で」
来月下旬からは商品の種類を増やし、売り場も拡大する予定です。

さらに万博で期待されるのがインバウンドの増加です。熊本市内のホテルも万博効果に期待を寄せます。

ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ 山野壮さん「目立つようなインパクトはないが、今後パビリオンも完成すると思うので、大きく期待している」
このホテルでは、宿泊客の半数は海外からです。現在はアジアからの客が多くを占めていますが、万博を機に欧米やオーストラリアからの宿泊客も増えると見込んでいます。

ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ 山野壮さん「フロントスタッフ、宿泊予約を受けるスタッフ、電話を取るスタッフも含めて、日本語でも英語でも必ず対応できるよう準備している」

開幕から1か月あまり・・・熊本での万博効果はまだ限定的なようですが、現地の盛り上がりはどうなのか。会場では熊本とゆかりのある人も働いています。
サンマリノ共和国から熊本に移住したファビオさんです。サンマリノは周りをイタリアに囲まれた、人口・面積ともに益城町とほぼ同じ小さな国です。

日本語が話せるサンマリノ人が少ないため、今回サンマリノブースのスタッフとして声がかかりました。現地の様子を聞いてみると・・・
ファビオ・ムッチョーリさん「今はとても賑やかですよ。毎日、お客さん増えてきそう。お客さんと話したら『私は九州から来ました』と。『九州のどこ?』と聞くと『熊本から来ました』と。そんなこともあった」
熊本から訪れる人との出会いが楽しみというファビオさん。海外からの来場者には熊本の良さもPRしています。
ファビオ・ムッチョーリさん「大阪万博の雰囲気は本当に特別。本当に楽しい時間を過ごせる。子どもも大人もみんな来てください」
熊本での万博熱と経済効果、どこまで高まるのか、これからも注目です。