長崎県内の離島や半島にある小規模な高校の生徒を対象にオンライン授業を行うための「拠点施設」がこの春、大村市に開設されました。県内のどこに住んでいても専門性の高い教育を受けることが可能になった「県遠隔教育センター」の授業の様子を取材しました。

大村市に先月開設された県遠隔教育センター通称「DECTT(デクット)」です。

教員が遠隔授業を行うブースが7箇所あり、同じ時間帯に複数の学校に授業を配信することが可能です

センターでは離島や半島にある県立高校9校に対し、オンラインで理科や情報など5教科12科目の授業を行っています。

(県遠隔教育センター・松尾賢志教頭)「離島や半島には、一学年1クラスや2クラスの少規模校が増えていて、そういった少規模の高校には、十分な数の教員を配置できないという現状もあります」

センターには、高い専門性をもつ専属の教員が7人所属しています。

「情報化を代表する技術AIというのを聞いたことある人」

「これは何を使って何をやってる写真でしょうか?」

「荷物を配達している」

全校生徒58人の中五島高校には、これまで「情報」の教員がおらず他の教科の教員が、臨時免許を取って授業を行っていました。

(生徒)「中学校でこのような体験がなかったので、高校でこのような体験ができてよかったです」

(生徒)「遠くの人(先生)とネット上でつながって専門の授業を受けることができるのは貴重な経験だと思います」

(県遠隔教育センター・神崎隆嘉教諭)「考える途中の過程を把握するのがなかなか難しい。生徒の空気感っていうのは画面越しでも何とか読み取れる情報を察知して、頑張ろうと思ってやっております」

(県遠隔教育センター・松尾賢志教頭)「県内どこに住んでいても、均等に同じ学習の機会が得られることを目標として、今後もやっていきたいと思っています」

センターでは、授業以外でも今後、公務員試験の対策講座や外国語講座などを県内すべての公立高校で受講できるよう配信するなど様々な活用法が検討されています。